世界の地震の1割以上が日本で起こっているというデータがあり、日本は地震大国として知られています。また近年の猛威をふるう自然災害や、首都直下地震の切迫性が指摘されることもあり、家族の命を守り、大切な財産を失わないようにするためにも、木造住宅の地震対策は、非常に重要です。
江戸川区は、令和8(2026)年3月までに「耐震性が不十分な住宅を概ね解消する」という目標を達成するために、住宅耐震化緊急促進アクションプログラム(以下「アクションプログラム」という。)を改定しました。
アクションプログラムは、毎年度、住宅耐震化に係る支援目標を設定するとともに、実施・達成状況を把握・検証・公表。アクションプログラムの充実と改善を図り、住宅の耐震化を加速的に促進することを目的としているものです。
江戸川区の特性や、耐震補強の基本知識を深め、助成制度を賢く利用しながら、木造住宅の耐震性を向上させるための知識を深めていきましょう!
江戸川区の地盤特性
東京の地盤は大きく分けて「山手エリア」と「下町エリア」があり、江戸川区は下町エリアに該当します。
下町エリアは、沖積低地(数千年前の海の底に積もった泥や砂などの地層)に覆われ、標高が低い場所として地盤が緩く、旧耐震の木造住宅は耐震性能を見直すことが必要です。
「下町エリア」は、台東区、墨田区、江東区、荒川区、文京区、足立区、葛飾区、江戸川区が当てはまり、大田区の蒲田、大森も下町と区分されることがあります。海や川に近い低地(沖積平野)の区域を指すことが多く、沖積低地の主体は砂や泥のため、地震が緩いのが特徴です。
木造住宅のリフォームを考える際には、まず耐震診断を受け、地盤や建物の弱点を明らかにした上で、必要な補強プランを立てていくことが大切です。
現在、江戸川区では、災害に強い安全なまちづくりを目指し、戸建て住宅や分譲マンション、緊急輸送道路沿道建築物、特定緊急輸送道路沿道建築物等について、耐震性を高めるための助成制度を設けています。
耐震補強に関する助成金制度や最新の情報を活用することで、費用面でも効率的に補強を進めることができます。
江戸川区の地盤特性を踏まえた適切な対策と、地域の専門家や行政からのサポートを受けながら、耐震補強を進めていきましょう!
新・旧耐震基準の確認方法
建物が新耐震基準か旧耐震基準かどちらに該当するかは建築確認日で見分けられます。
建築確認日とは建物を建築する前に役所や民間の確認検査機関に申請し、問題がないと判断され、申請が受理された日です。受理されると「確認通知書」が発行されますので、この書面の日付が1981年6月1日以降かどうかで見分けることが可能です。
旧耐震基準
1981年5月までの基準で、震度5(中規模)までの地震で倒壊・損傷しないことが求められていました。
新耐震基準
1981年6月に施行され、現在も適用される基準です。震度6強から7に達する程度の大規模地震動も検証を行うように求められています。
例えば1981年6月以降に完成した建物であっても確認通知書の日付がそれ以前の場合、旧耐震基準の建物となります。1985年以降の完成であれば、ほとんどが新耐震基準と考えられますが、1981年前後に建築された建物の場合は注意が必要です。
耐震補強の具体的な方法
How to1☆ 建物の現状を正確に把握する
専門家による耐震診断を依頼し、建物の弱点や補強が必要な箇所を明らかにしていきましょう。耐震診断では、大地震などで建物が倒壊しない耐震性(強さ)があるかを調査します。住まいの弱点を認識することで、具体的な対策を立てるのに役立ちます。
東商住建におても、住宅医と江戸川区の耐震コンサルタントの資格をもつ建築士が在籍しておりますので、診断から対策、工事まで一貫してサポートできるよう準備しております。
How to2☆診断結果を基に、適切な補強方法を選定
想定されている大地震とは、”数百年に一度”程度起こる「震度6強」クラスの地震。”数百年に一度”といえど、1995年に発生した阪神・淡路大震災以降に震度6強、7の地震は能登半島地震も含めて23回も発生しています。
いつ起きてもおかしくない地震に備えるためにも、プロによる耐震診断と、適切な補強工事が必要です。
「耐震診断書」から分かることは、壁の量や強さ、壁の配置バランス、柱と土台、梁の接合や腐っていないかや、シロアリに食べられていないかなどの劣化状況です。
耐震診断書をもとに適切な補強方法を選定していくことが大切です。
How to3:自治体の助成金制度の活用を検討する
耐震化が進まない理由に、費用の問題があります。また耐震の改修工事の効果に対する信頼性の欠如や情報不足があるようです。
専門家による耐震診断を通して得られた情報を基に、自治体が提供する助成金の交付を申請。申請には耐震診断書や工事の見積書が必要となるため、信頼のおける業者に出会うことも大切です。
また、助成制度には申請期限や予算の制限があるため、早めの確認が求められます。さらに、国や東京都の補助金制度も活用することで、より経済的に耐震補強を実施することが可能になるので、これらの助成をうまく利用して、安全で安心な住まいを実現しましょう。
専門家に相談するメリット
専門家は、建築基準法や最新の耐震技術に精通しており、個々の住宅に最適な補強プランを提案します。特に、住まいの構造上の欠陥や弱点を見落とさずに、専門家の視点でしっかりと診断されます。
また、専門家は地元の助成制度や補助金の最新情報にも詳しいので手続きのサポートもお願いすることができます。
さらに、専門家に相談することで、施工後の安全性や居住性を高めるための具体的なアドバイスを受けることができます。長期的な安全対策として、信頼できる専門家の知識と経験を活用することで、安心して暮らせる住まいを実現しましょう。
江戸川区の工務店・東商住建では、住宅医協会が認定している建築士「住宅医」及び、江戸川区の「耐震コンサルタント」が在籍しております。あなたの大切な家を、まるでかかりつけ医のように多角的に診断します。
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よくある質問とその回答
Q1: リフォーム会社に依頼して耐震補強を行う際にはどのような手続きが必要ですか?
A1: まず、リフォーム会社に依頼して専門家による現地調査と耐震診断を受けることが必要です。その後、必要な書類を整え、耐震補強の助成金を利用する場合は、区の助成金交付制度に基づき申請手続きを行います。
Q2: 耐震補強工事の期間はどのくらいですか?
A2: 工事の期間は建物の状態や補強範囲によりますが、一般的には1週間から1ヶ月程度かかります。事前にリフォーム会社と計画を立て、スケジュールを調整することが重要です。
Q3: 補強工事中でも住み続けることは可能ですか?
A3: 大半の場合、住みながら工事を進めることが可能ですが、騒音や振動が発生する場合があります。事前に工事担当者と相談し、生活への影響を最小限に抑えるための対策を打っておきましょう。
Q4: 耐震補強後のメンテナンスはどのように行えば良いですか?
A4: 補強工事後も定期的なメンテナンスが重要です。特に地震の後は、再度専門家による点検を受けて、補強箇所に問題がないか確認してもらいましょう。